哲学ナックルダスター

主に東洋古典を自分の言葉で噛み砕いてくブログ。たまに俳句を詠んだり、他の記事も書きます

3の壁を越えろ 老子現代語訳に挑戦 1

久々に中国古典について書く。

「精講 漢文」の勉強法「3の壁」

この本で漢文の勉強をしてます。

www.chikumashobo.co.jp

この本では、漢文の勉強法を習熟度に合わせて教えてくれます。

今、本に出てくる「3の壁」に取り組んでいます。

3の壁の勉強法は「書下し文を読んで自分なりに意味を考えて自分で翻訳を書いてみる」という勉強方法なのです。

老子」でやってやる

「精講 漢文」内の例文でやる前に、「老子」でこれをやってみようと思った訳です。

経書でやれよ」とツッコまれそうですが、俺、老子好きだし。道家の考えを理解すると儒家や兵家の考えを理解するのにも役立つし。朱子学老荘の影響があるから、徂徠や仁斎は反発したってのもあるし。

今回はこの本を基にしてやっていきます。

www.chuko.co.jp

古本屋で安く手に入ったというのもあるんですけどね。訳注の方は凄い人。お兄さんに貝塚茂樹博士と湯川秀樹博士という文学博士。小川四兄弟はみなすごい学者です。

この本に書かれている原文、書下し文、解説を基に現代語訳を自分なりに書こうという所存。

原文をノートに書く。小川版書下し文をノートに書く。自分なりの現代語訳をノートに書く。これを繰り返してある程度進んだらブログ記事にする。

他にはこれと漢字辞典(大漢和辞典でなくてゴメン)を使用。

www.uchiyama-shoten.co.jp

ツイッターで存在を知った。これ、とても便利です。

 

これらを使って自分なりに挑戦します。

現代語でわかるようにしたいですが、「超訳」の様に自己都合で捻じ曲げない様頑張ります。間違ってるところもあるでしょう。「そこはおかしくないか?」という指摘も歓迎します。

全八十一章まで頑張るぞ。少しずつだけどね。

老子 上篇 第一章

道と説明できるものは、不変である本来の道では無い。名を付けられるものは、それは不変である本来の名では無い。名前の無いものから天地が始まり、名前が有るようになってから万物の母となった。本当に「欲の無い者は、その本質を観ることができ、欲の有る者は、その結果しか観ることができない」のである。この両者(本質と結果)は、同じものから生まれ出たものであるが、名前が異なる。この生み出す存在を玄という。玄は更に玄となり、諸々の物事の本質が出てくる門である。

第二章

世の中の人が皆、美しいものを美しいとして認めると、醜いという考えが生まれてくる。皆、その善を善として認めると、不善という考えが生まれてくる。本当に、有と無は相互に生まれ、難しい事と容易い事は相互に整い合い、長い物と短い物は相互にあることで、物の長さがはっきりとわかり、高地と低地では相互に高低差を生み出し、楽器の音と歌声は相互に調和して一つの曲となり、前を進む者と後から付いて行く者は相互に前後に立つことで隊列ができる。この法則に従い聖人は、意識して行動しないことを忘れず、言葉を使わない教えを実行する。万物に働かされてもそれを拒まず、何かを生み育てても所有権を主張せず、何かを成し遂げても、そのことを恩に着せて誰かを頼ろうともせず、功績が有っても称賛を受けようとしない。称賛を受けようとしないからこそ、皆から追い出されることが無いのである。

第三章

賢者を重用しなければ、民達が争うことが無くなる。手に入れ辛い宝物を貴重な物であるとしなければ、民は宝物を狙う泥棒にならなくなる。欲望を生み出すようなものを見なければ、民の心が乱れることは無いだろう。この法則に従い、聖人の行う政治は、民に余計なことを考えさせず、食べ物で腹いっぱいにさせ、野望を持とうとする心を弱めさせ、身体を強くしてやる。常に民が悪知恵や欲望を持たせるようにせず、先程述べたような知恵者を活躍させず、無為に動くならば、政治が上手く行かないという事は無い。

第四章

道は、ちっぽけな器の様なものであるが、これを使っても水や他の物が器いっぱいに満たされることは無い。とても深く、万物の祖先のようである。道の中では、鋭く危ないものは鈍くなり、もつれごとは解きほぐされ、激しい光は程良く和らぎ、邪魔な塵は取り除かれる。常に水を深く湛えている様に存在している。道は誰が生み出したのかは知らないが、古の帝達よりも前から存在していたのだ。

第五章

天地は依怙贔屓をしない。万物を祭りに使う犬の藁人形位にしか見ていない。聖人も依怙贔屓をしない。多くの人々を祭りに使う犬の藁人形位にしか見ていない。天と地の間は、ふいごの様なものである。中は空っぽでも、その力は尽きず、動き出すと、いよいよ力を出して行く。多弁な者は、しばしば言葉に窮してしまう。言葉を心の中に納めておいている者にはかなわないのだ。

 

 

続く