前回の続き
北渓字義 二十四章 義利 の続き
二十四-5
利害損得を計り比べる私心について
天子が天下の富を持っているのに親を養うのに、金品の出し惜しみをする→利
子貢が礼が行われていないのに羊を生贄とするのは無駄であると打算した→利
孔子が礼が滅びるのを防ぐために羊の生贄を惜しまなかった→義
※羊の話は『論語』より
文章の出来栄え、功績、徳について比較し「私の方があなたより上だ」と言ったりする→利
二十四-6
自分だけが都合が良い様に、事柄や場所を選ぶ→利
義を捨て生を選ぶのは人が欲するところであるが、義として死ななくてはいけない時には義を守って死ぬしかない。自分に都合がよいからと言って未練心を持って良いものだろうか。
二十四-7
名声を求める私心
『孟子』の「名を好む人は、能く千乗の国を譲る」
徳を以って怨みに報いて仁に厚いという名声を求めようとする
人に恩を着せて自分の手柄としている。
美名を求めると言う点ではみな利である。
二十四-8
自分の利益を求める
我が身の為に考える時には一所懸命になるが、他人の為に考える時はいい加減→利
父子・君臣・夫婦・兄弟・朋友という関係に身を置きながら、少しでも利己心により天理として当然行うべきことを行わない→利
天下公共の事でも私心で行う→利
続く