前回の続き
北渓字義 十四章 恭敬(全7節)
十四-1
恭→容貌について説いている。容貌を主としている。
敬→心について説いている。事為を主としている。
十四-2
恭には厳めしいという意味があるが、敬の方が切実。
十四-3
健康な身体、容貌が良いのは恭という意味。
恭は敬が外に現れたもの。
敬は恭が内にある場合。
敬と恭は全くの別物ではなく、形と影の様なもの。
どちらかが無いということは無い。
十四-4
『礼記』の「坐することは尸の如し。立つことは斎するが如くす」が敬の容。
『論語』の「其の衣冠を正しくし、其の瞻視を尊くし、儼然として人望みてこれを畏る」が恭の容。
十四-5
敬の工夫は緻密。
恭の気性は広大。
敬の意思は卑屈。
恭の体貌は尊厳。
十四-6
朱子は「成徳を以って論ずれば、則ち敬の字は、恭の安らかなるに如かず。学ぶ者の工夫を做すを以って言えば、則ち恭の字は、敬の切なるに如かず」と言っている。
※『朱子語類』より
十四-7
古の人は皆、恭敬に努めた。
『詩経』に出てくる湯王の聖敬日に躋(のぼ)る」や文王の緝熙にして敬む」。
これらは全て恭敬。
これで 第十四章 恭敬 は終わり。上巻はこれで終わり。
次は 下巻 第十五章 道 から。
続く