前回の続き
北渓字義 七章 意(全4節)
七-1
意→心が発動したもの。思料し運営するという意味がある。
情→性から発動したもの。 意→心が発動したもの。
情→心の中から自然に発動し、姿形を変えて出てきたもの。性と相対している。
意→心に一念を発起じ、思料。運営をしてこれこれこの様にしたいという事。
情が動く→全体の上で論じる。
意→一念を発起するところについて論じる。
性・情・心・意をひとまとめにして、事物に応接すると、皆一緒になって表れて来る。
今、ある事柄がやってきた。
内部で主宰するものが心。
動き出してきて、喜んだり起こったりするのが情。
内部に一つのものがあって、動き出すことだできるようにさせているのが性。
あれこれと思いめぐらせて、あの人には喜んでやらなくてはいけない。あの人には怒ってやらなくてはいけないとするのが意。
心が喜んだり怒ったりする相手の方に向かって行くのが志。
喜怒が節に中った場合は、当然の則にかなったものであり、理。
当然そうしなければいけないとする理由である根源が命。
これらの多くのものが全て一度に現れて、バラバラになること無く、一方、それぞれの間にはっきりと区別が有り、乱雑になることは無い。
七-2
意と心を比べてみる。
心の方が大きい。
心→全体から言う。
意→全体の上について一念を発起したことを言う。
七-3
『論語』の「意なし」の意味は、私意について説いている。
『大学章句』の「意を誠にす」の意味は良い意思について説いている。
七-4
人はよく、「意思」という言葉を使うが、「思」とは思うことである。
思慮・念慮といった言葉は、みな「意」に属する言葉である。
意 はこれで終わり。
次は 八 仁義礼智信 から。
続く
続く