哲学ナックルダスター

主に東洋古典を自分の言葉で噛み砕いてくブログ。たまに俳句を詠んだり、他の記事も書きます

Laozi said so. 24:おまけ1

一応前回の続き

kamata-ei.hatenablog.com

明治書院新書漢文大系版に基づく要約が前回で終わりました。

何回かに分けて入門書レベルのあんまり役に立たない解説や考察をしていこうと思います。

 

要約を始めた理由

 元々はネットに沢山登場する「老子の言葉」とやらのでたらめっぷりにうんざりしていたので、そのデタラメっぷりを再確認する為に自分なりに要約してやろうと思ったわけです。老子もろくに読まず、出展先不明のネットで拾った言葉を老子の言葉だと披露して知識人ぶる…。老子が一番軽蔑するタイプでしょう。

今回のタイトル「Laozi said so.」は訳すと「老子かく語りき」。元ネタはプロレスラーのストーン・コールド・スティーブ・オースチンの決め台詞。

一度は自分の命を救ってくれた老子道徳経をもてあそぶような奴らのケツを蹴り飛ばす気持ちで始めましたが今はどうでも良くなりました。

老子ってどんな人?

実際のところ良くわかりません。

紀元前571年に生まれ紀元前470年頃になくなったらしい。

春秋時代中期から後期の人らしい。

楚の国に生まれ、後に周王室の図書館で役人をやってたらしい。

孔子が周の国を訪れた時に会って話をしているらしい。 

周王室を去る時に関所の役人に「あなたの教えを残してこの国を去って欲しい」とお願いされて全81章からなる老子道徳経を書いた後に牛に乗ってどこかへ旅立ったらしい。以降の消息はわからない。

史記」の記述をもとにするとこんな感じ。実際のところは史記が書かれた前漢時代の頃には既に謎の人物だったようだ。

史記の内容がどこまで本当かは断言できないが、知識人だったことは確かだろう。

老子に代表される道家って?

春秋戦国時代諸子百家の一つ。戦争に明け暮れる世に嫌気がさして、田舎で隠遁生活を決め込んだ知識人階級。論語に出てくる「隠者」とは道家たちのこととよく言われる。知識人故に隠遁先の土地のまとめ役、顔役をやっていたと思われる。中国史に詳しいフォロワーさんとのやりとりをもとにおそらくこういう人達だろうと自分なりに考えてみた。

彼ら道家の処世術や政治論がまとめられたのが老子道徳経といえるんじゃないかな。

結局老子は実在したの?老子道徳経はいつごろできたの?

おそらく実在しただろう。これは貝塚茂樹(1904~1987)博士の考え。老子自体は実在しており、今の老子道徳経のベースを作った。後に老子の弟子や親しい人、老子の考えの流れを汲む道家達が加筆修正を加えて現在の形式に至ったのではないかということ。

遅く見積もっても写本は戦国時代中期(紀元前300年頃)には有った。当時の墓から発見されている。春秋時代の後期に作り始められて戦国時代の前期から中期にかけて完成したんじゃないだろうか。

二千年を超える書物ということだ。

老子道徳経は日本にはいつ頃来たの?

聖徳太子の頃から来たと言われている。聖徳太子の書いた本に老子道徳経の言葉が引用されている。

完全な状態の書籍として入ってきたことが確認できる資料は平安時代初期のものがある。もっと早くから輸入されていたのかもしれない。平安時代には貴族たちによく読まれていた。徒然草への影響が指摘されている。

室町時代にはさらに広がり、僧侶たちに読まれるようになった。仏教が中国で普及されるときには老荘思想がその媒介役をしていたとのこと。日本の仏教は主に中国からやってきた。そういう意味では僧侶が老子を読んでいたというのは良くわかる。

江戸時代には儒学者達の間でも良く読まれた。老荘思想朱子学にも影響を与えている。与えあっているという書き方の方が正しいのかもしれない。

そして今でも読まれている。

西洋では?

19世紀にはフランスで本格的な研究が行われている。フランスからヨーロッパ諸国へ広まっていった。キリスト教には見られない価値観が衝撃的だったそうだ。

西洋では老荘思想は「タオイズム」と呼ばれている。

老子の言葉って?

老子道徳経にどこまで反映されているかはわからないけど、老子自身の言葉として確認できるものは老子道徳経だけです。

荘子や他の中国古典でも老子の言葉は登場しますが、これらはみな、「老子ならこう言っただろう」という明らかな例え話です。

ブロンソンならこう言うね」と同じものと思われます。

 

次は儒家道家について書いていきたい。個人的な考察です。完全に対立関係にあったとは思えないんだよね。有名タレントの解説動画の影響だろうか?

 

続く

 

参考資料

古代中国

bookclub.kodansha.co.jp

入門 老荘思想

www.chikumashobo.co.jp

男気の作法 ブロンソンならこう言うね

magazineworld.jp