哲学ナックルダスター

主に東洋古典を自分の言葉で噛み砕いてくブログ。たまに俳句を詠んだり、他の記事も書きます

Laozi said so. 1:第1章~第3章

いい加減にして欲しい。

ネットに出回っている老子の言葉とやら。

よくわからん海外本を直訳したものがそのまま老子の言葉としてネットに出回っている。日本人で老子道徳経をまともに読んだことが有る人ならまずは書下し文から入るだろう。まともに老子を読まないでネットで言葉をあさってそのまま信じこんでお披露目してインテリぶってる。それをろくに本を読んでない連中が「老子って素晴らしいですね」とか馬鹿丸出しの発言をしている。先日そのことをあるアカウントに指摘したら「エッセンスを現代語的に解釈して…」など適当な事抜かしてごまかしてやがる。結局そいつはブロックして逃走。81章の冒頭の「信言は美ならず、美言は信ならず」を知らないようだな。俺のいないところで賢者様ぶってろ。

老子が直接書いた言葉というのは春秋時代から戦国時代にかけて書かれた老子道徳経(本でいう「老子」)にしかないだろう。後の時代に出てくる老子の言葉は「老子ならこう言っただろう」という例え話だと考えている。

今から2,500年近くに書かれ今でも世界中で読まれている。そして俺の命を救ってくれた本だ。老子は名前は有名だけど、その本は読まれていない。だからネットで意味不明の言葉が出回っている。道家道教の区別もつかない奴もいる。そんな奴が監修やってる孔子の伝記漫画が書店に並んでいて有名人が帯に推薦文を書いているという地獄絵図。俺の命を救ってくれた本が汚されるのを見ているのは正直言って苦しい。

だったら、俺自身で要約に挑んでみよう。その方が気が楽になる。再確認だ。

 

要約方法のポイント

青年期から中年期の老聃(老子ってのは老先生って意味合いだからね)が自宅で友人たちに話しているイメージで。

自己解釈は入れるけど、極端に従来の解釈から外れたり超訳なんてものは行わない。

意味をわかり易くするためにカタカナ英語などを使う場合もある。

実際に本を読んでいる人なら「ああ、そういう解釈したのね」とわかってもらえるようにしたい。

むしろ老子を読んだ人向けに書いていきたい。

テキスト

明治書院新書漢文大系を使用する。

www.meijishoin.co.jp

書下し文と現代語訳と解説の構成。全81章が掲載されている。入門書としてお勧め。

そして場合によってはこの本も副読本として使う予定。

www.chikumashobo.co.jp

これもわかり易く、且つ詳しく知ることが出来る。題名通り老荘思想の入門書としてお勧めです。

そろそろ始めようか。

老子道徳経 第1章

決まり決まった道なんてものは無い。同様に決まり決まった真の名前なんてものは無い。天地が生まれる前は名前なんてものは無かった。万物の母、そう、天地が生まれてはじめて名前というものができた。天地が生まれる前は俺の言う「道」の微かな動きが見られ、天地が生まれた後は万物がはっきりと見分けられるようになった。天地と万物は同じもので名前が違うだけだ。俺はこの天地或いは万物を生み出すものを「玄」と呼んでいる。この玄の奥の深くて捉えどころのないところからあらゆるものが生み出されていくんだ。

第2章

世の中の連中は美しいものは美しいということは知っているが、美しいということは醜いということと対立する考えでしかない。同様に世の中の連中は、善は善であるということは知ってるが、善は不善と対立する考えでしかない。有ると無い。難しいと易しい。長いと短い。高い位と低い位。楽器の音と生き物の声。前と後。これらはみんな互いに反対の立場でしかない。これが体得できている聖人は何もしない境地にいながら言葉なんか使わずに人々に教えることが出来るんだよ。この世界を作った「道」…さっきは「玄」って呼んでた奴ね。道は万物を生み出すけど何も言わない。生み出したものを自分の所有物にしない。物事を達成しても褒美なんて期待しない。功績を上げても功績にふさわしい高い地位にしがみつこうともしない。これが道であり、道と一体化した聖人の振る舞いなんだよ。

第3章

口先だけの自称賢者様を尊重しなれば民は争いなんてしなくなる。世の中の暮らしにはどうでもいい珍品を貴重な財宝にしなければ、民は泥棒なんてしなくなる。欲望を掻き立てるようなものを民に見せつけなければ民の心は乱れないものさ。そういう点から聖人の行なう政治では民には素直な心を持たせ、飢えることなく腹を満たしてやり、ハッタリだけで出世しようと思わせず、体は健康で丈夫にしてやり、いつも中身のない上辺だけの知識や欲望を持たせないようにして、いわゆる自称賢者様がなんにもできない状態にしてやるんだよ。くだらないことは何もしない政治。これをやっていれば世が乱れるなんてことは無いんだけどね。

 

 

続く