目眩帳

主に東洋古典を自分の言葉で噛み砕いてくブログ。たまに俳句を詠んだり、他の記事も書きます

凸凹大学校 5:大学 第五章

前回の続き

kamata-ei.hatenablog.com

「大学」の第五章から

 

大学 五章 第一節(全2節)

前に述べた、国を治める前に自分の家を平和にするということは、家族に対して礼を教えられない者で、国の民に礼を教えられる者などいないということだ。君子は仕官して政治に直接関わらずにいても、家の中から国中に礼の効果を及ぼすことが出来る。親への孝行は民が主君に仕える礼となり、兄に従うことは上官に仕える礼となり、子を慈しむことは民を使役するときの礼となる。書経にはこう書かれている。「民を赤子のように育てる」と。民を慈しむ心を求めるならば、完全な正解な治め方にならずとも見当違いな物にはならない。子の育て方を学んだ後に嫁に行く者はいない。

一家に仁が満ちれば国中に仁が広がる。一家に謙遜が満ちれば国中に謙遜が広がる。君主一人が貪欲ならばその国は乱れる。それはクロスボウの引き金を引くようにあっという間になってしまう。発言一つで大事なことをめちゃくちゃにして、一人の頑張りで国が安定するとはこのことを言うのである。

尭帝、舜帝は、天下を仁で治めたので、民は従い仁に基づいた行動をした。夏王朝の桀王、殷王朝の紂王は天下を暴力で治めていたので、民は従ったが暴力的になった。君主の命令が、君主の本意と反するものなら民は命令に従わない。だから君子は先ずは自分自分自身が徳を持った後に人に徳を求め、自分自身が不徳を無くしてから不徳のある人を非難する。自分の心に善を増やし、相手を思いやることも無しに、相手を諭した人など過去から今に至るまでいない。だからこそ、国を治める前に自分の家を平和にすることが必要なのである。

第二節

詩経より詩を三つ挙げる。

「若々しい桃の木は葉をいっぱい茂らせている。彼女は嫁ぐ。嫁ぎ先とも仲良くやっていくだろう」

家族と仲良くできてこそ礼を国中に広めることが出来る。

「兄と仲良く、弟と仲良く」

兄弟同士仲良くできてこそ礼を国中に広めることが出来る。

「君子の礼儀には間違いがなく、四方の国々を正しく治める」

父と子、兄と弟同士の礼儀がしっかりしているからこそ、民もその礼儀を見習って行動をする。これこそ、国を治める前に自分の家を平和にするということである。

 

続く